SharePoint 2010ではメタデータ管理機能が強化されています。リストやライブラリに追加する列以外に、「用語セット」と呼ばれる列の値をあらかじめ階層化して管理することなどができるようになっています。(※)
従来からドキュメントのカスタム プロパティを設定する際に、複数のプロパティ値から選択させるには、列の種類で「複数の選択肢」を指定する方法があります。しかし、この方法では選択肢はフラットであり、階層化はできません。また、選択肢の値は、サイト列として定義すれば、定義したサイト コレクション内で有効ですが、サイト コレクションを越えた共有はできません。一方の用語セットは、列に設定する選択肢が階層化でき、かつサイト コレクション全体で共有できるメリットがあるため、組織で統一したプロパティをつけることができます。ただし、用語の追加はユーザーでも可能ですが、用語のコンテナである「用語セット」の定義はサーバーの管理者が行う必要があるため、列の種類で「複数の選択肢」を指定するほどの手軽さはありません。
また、全てのリストやライブラリに追加されている「エンタープライズ キーワード」というプロパティには任意のキーワードが指定できるようになっており、検索やタグ クラウドに利用できるようになっています。エンタープライズ キーワードは用語セットとは異なり、階層化されません。ただし、エンタープライズ キーワードを後からまとめて、用語セットとして構成することは可能です。
用語セットおよびエンタープライズ キーワードの情報は、用語ストアと呼ばれるデータベース領域に格納され、一元的に管理されるため「管理メタデータ」と呼ぶこともあります。用語セットはサーバーの管理者があらかじめ定義します。用語の管理者もこのとき定義し、エンドユーザー自身が用語を作成できるよう指定することも可能になっています。
(※)Office 365プランP1では、メタデータの管理はご利用になれません。
・用語セットの利用
用語セットの定義はSharePointサーバーの管理者が行い、誰がどのように用語を管理するかといった権限管理設定を行います。従ってユーザーに対して用語の追加権限があれば、そのユーザーは用語が追加できるようになります。
・エンタープライズ キーワード
リストやライブラリのアイテムには、エンタープライズ キーワード列を表示できるようになっています。エンタープライズ キーワードは、自由にキーワードをタグとして指定できます。指定したキーワードは、用語ストアに蓄積され、複数のサイト コレクションで共有できる値になります。そのため、管理されたキーワードに既に登録されているキーワードと類似があると、入力支援機能により候補が表示されます。候補から既にあるキーワードを選択すれば、検索などを行う際に、同一のキーワードグループとして検索しやすくなります。
・メタデータ ナビゲーションとキーフィルタ
ドキュメント ライブラリには「メタデータ ナビゲーション」と「キー フィルター」の表示ができるようになっています(既定では表示されないため、追加設定が必要です)。
2012年1月24日火曜日
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